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「斎藤くんって好きな人とかいるの?」
「あんま女の子に興味がないからなぁ」
う、嘘だ!
「あ、今疑ったでしょ」
「うっ」
斎藤くんに腕を掴まれたまま、私たちは進んでいく。
「だって斎藤くん。なんか……その……性欲的なのが激しいというか」
「それと女って別だろ。女に興味があったら可愛い子としたいって思うだろうけど。だけど俺は思わないね」
「じゃあ可愛くなくてもいいの?」
私がそう聞くと、斎藤くんはニヤリと笑ってみせた。
私は何だか悪寒がした。
「可愛くなくても、例えば胸が大きければいい。……そんな感じ」
「なんか斎藤くん。話せば話すほど怖いですね」
「大丈夫だよ。だって河井さん小さいから」
――なっ!
斎藤くんはクスクスと笑った。
そしてあるお店の前でぴたりと足を止めた。
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