第2章 君との別れを

14/103
前へ
/845ページ
次へ
「斎藤くんって好きな人とかいるの?」 「あんま女の子に興味がないからなぁ」 う、嘘だ! 「あ、今疑ったでしょ」 「うっ」 斎藤くんに腕を掴まれたまま、私たちは進んでいく。 「だって斎藤くん。なんか……その……性欲的なのが激しいというか」 「それと女って別だろ。女に興味があったら可愛い子としたいって思うだろうけど。だけど俺は思わないね」 「じゃあ可愛くなくてもいいの?」 私がそう聞くと、斎藤くんはニヤリと笑ってみせた。 私は何だか悪寒がした。 「可愛くなくても、例えば胸が大きければいい。……そんな感じ」 「なんか斎藤くん。話せば話すほど怖いですね」 「大丈夫だよ。だって河井さん小さいから」 ――なっ! 斎藤くんはクスクスと笑った。 そしてあるお店の前でぴたりと足を止めた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加