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斎藤くんは穏やかな顔で笑うと、一度試着室を離れてまた戻ってきた。
「どうしたの?」
「これでもいいんじゃない?」
と言って渡してきたのは透けている服だった。
なんというか……セクシー。
「――って、あのねえ!」
「男ならみんな喜ぶと思うけどなぁ。とくに綾翔とか」
「あ、綾翔はそんな変態じゃないと思います」
「バカだなあ。河井さんが着るから喜ぶんじゃない」
そう言ってクスクスと笑う。
私は「もういいです!」と言ってカーテンを閉めて、そして自分の服を着た。
試着室を出ると、斎藤くんはぼぅっと窓の外を見ていて、こう普通に見るとやっぱりカッコイイなって思うのに。
……中身が残念。
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