第2章 君との別れを

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「あれ、河井さん。ずいぶん生意気な顔をしてるみたいだね」 「へっ!?」 「そんな顔を二度と出来ないようにしてあげるよ」 「ごごご、ごめんなさいそんな顔しませんから許してください!」 斎藤くんの前ではいい子でいないといけない。 ……そう思った。 私は斎藤くんに選んでもらった服をお会計に持っていった。 値段もお手頃で、本当にいいものを選んで貰ったなぁ。 今度何かお礼をしなきゃ。 ……あ、そうだ。 「斎藤くんっ」 「あ、お会計終わった?」 「うんありがとうね」 斎藤くんは「いえいえ」と言って優しげに笑う。 「斎藤くん、これから予定とかないよね?」 「まあないけど」 「じゃあお礼に何かおごります!」 すると、斎藤くんは一瞬驚いた顔をみせて、いつものような冷静な顔になった。
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