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「そ、そんな斎藤くんだって私の名前覚えてます!?」
「真緒でしょ」
「う」
なんか斎藤くんの声のトーンがいつもより低い。
「ヒント!」
「ヒントって……」
「さ、最初の文字!」
「“れ”」
れ!?
でも“れ”で始まる名前なんて限られてるよね。
私は頭の中の名前辞書を開いた。
「れ……れお」
「違う」
「れ……れな」
「女の子だねぇ」
ダメだ!
私の辞書には他に名前が載っていない!
このままじゃ、斎藤くんからどんなオシオキをされるかわからない……ここは綾翔に……。
私は携帯を取り出すと、斎藤くんに没収された。
「あっ!」
「聞くのも検索も禁止ね」
いいい、意地悪!
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