第2章 君との別れを

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「そ、そんな斎藤くんだって私の名前覚えてます!?」 「真緒でしょ」 「う」 なんか斎藤くんの声のトーンがいつもより低い。 「ヒント!」 「ヒントって……」 「さ、最初の文字!」 「“れ”」 れ!? でも“れ”で始まる名前なんて限られてるよね。 私は頭の中の名前辞書を開いた。 「れ……れお」 「違う」 「れ……れな」 「女の子だねぇ」 ダメだ! 私の辞書には他に名前が載っていない! このままじゃ、斎藤くんからどんなオシオキをされるかわからない……ここは綾翔に……。 私は携帯を取り出すと、斎藤くんに没収された。 「あっ!」 「聞くのも検索も禁止ね」 いいい、意地悪!
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