第2章 君との別れを

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他に名前あったかな。 「斎藤くん、他にヒントはありませんか」 「そうだなぁ。三文字……ていうか、本当に知らないんだ」 「う、それは……」 お店につくと、斎藤くんはお店の前で立ち止まって意地悪そうな顔で笑って、私を見下ろした。 「当てたら中に入る。わからなかったら迷子にするから」 「えええ!?」 斎藤くんならやりかねない。 私は必死に考えた。 あんなこと聞かなければよかったなぁ……ちょっと後悔。 あ、“れい”系の名前なのかな。 でも、その後ろの一文字がわからないんだよな。 「れ、れい……」 「お、いいよ何?」 「……た」 「はい、迷子決定ね。行こうか」 えええ!? 「れいたれいとれいかれいなれいやああああ!」 私は斎藤くんに首根っこを捕まれた状態で思い当たる名前を連発した。
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