第2章 君との別れを

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私は音をたてないように包みを開いていく。 なんか音を出してはいけない雰囲気だったから。 「あの……いや、えと」 「河井さんさあ。なんていうか。酷い子だよねえ」 「すすす、すみません!」 斎藤くんは片側の横髪を耳にかけると、頬杖をついて私をじっと見てきた。 「“れいや”だよ。斎藤怜也」 「えっ……」 そういえば……なんかそんな気もするような……しないような……。 「な、なんかすみません」 「まあいいよ。これで覚えたでしょ」 「はい」 斎藤くんはニヤリと笑い、そしてジュースを飲んだ。 そっか怜也くん……。 でも、なんかそんな感じだよね。 カッコイイ容姿にはぴったりな名前だと思う。
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