第2章 君との別れを

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女の子は顔をきらきらさせて斎藤くんに寄ってきた。 斎藤くんは女の子に顔を向けた。 「あのー、すごくかっこいいなって」 「よかったらぁ、その、連絡先とか知りたいなぁって」 こびをうるように声をたかくして斎藤くんに話しかけている。 いや、あの……私の存在無視ですか。 斎藤くんは二人の女の子ににっこり微笑むと、女の子たちはきゃーっと声をあげた。 ……そして…… 「悪いけど、連絡先とかそういうの教えてないんだ」 「じゃ、じゃあこのあと一緒に……」 「だから、迷惑だから」 斎藤くんは笑顔から無表情になってそう答えると、女の子たちは気まずそうに後退りをした。 そして私の顔を睨むと、走ってお店を出ていった。
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