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バスがきて、二人で乗り込む。
後ろの方の席で、隣同士で腰をかけると、斎藤くんが急に「ふっ」と笑い出した。
「どうしたの?」
「いや、河井さん。気付いてないみたいだから言うけど」
そう言って、斎藤くんは真面目な表情になって私を見た。
私は一瞬心臓が跳ねる。
「誰……とは言わないけど。多分河井さんが付き合ったら悲しむ人がいるんだよ」
「えっ……」
「それだけ言っておくね。俺は先輩には味方しないから。もちろん河井さんにも。まあ明後日頑張りなよ」
それだけ言うと、斎藤くんはポケットから携帯を出していじり始めた。
斎藤くんが言ったこと……気になるけど……。
私は、明後日先輩に想いを伝える。
絶対に……。
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