第2章 君との別れを

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バスがきて、二人で乗り込む。 後ろの方の席で、隣同士で腰をかけると、斎藤くんが急に「ふっ」と笑い出した。 「どうしたの?」 「いや、河井さん。気付いてないみたいだから言うけど」 そう言って、斎藤くんは真面目な表情になって私を見た。 私は一瞬心臓が跳ねる。 「誰……とは言わないけど。多分河井さんが付き合ったら悲しむ人がいるんだよ」 「えっ……」 「それだけ言っておくね。俺は先輩には味方しないから。もちろん河井さんにも。まあ明後日頑張りなよ」 それだけ言うと、斎藤くんはポケットから携帯を出していじり始めた。 斎藤くんが言ったこと……気になるけど……。 私は、明後日先輩に想いを伝える。 絶対に……。
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