第2章 君との別れを

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いざ先輩を前にすると、怖くなってしまう。 決意したのに。 なぜか揺らいでしまう。 先輩と顔を合わせるのは今日で三回目だ。まだ初対面のようなお互い何も知らない状態で……告白がうまくいくのか? 先輩も……私に一目惚れしてくれてればいいのに。 「真緒ちゃん」 「わっ! は、はいっ」 「今日の服も可愛いね」 先輩は笑顔で私の服を褒めてくれる。 これは斎藤くんに報告でもして何かおごらないとなぁ。 やっぱり男の子の好みは男の子じゃないとわからないものね。 でも、褒めてもらえるなんて。 「ありがとうございます……すごく、嬉しいですっ」 先輩の言葉は柔らかくて優しくて……もしお世辞でも、ころっと騙されちゃいそう。
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