第2章 君との別れを

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そういえば私って、本当に先輩のこと何も知らないんだよね。 名前しか……。 「先輩は部活してるんですか?」 「いや、帰宅部だよ。真緒ちゃんは?」 「私は一応陸上を……でも足が遅くてほぼマネージャーみたいな仕事をさせられてます」 そう言うと、先輩は笑う。 私も「酷いと思いませんか」と言って笑った。 バス停までの間、色々質問をしあった。 好きな事や家族友達のこと。 毎日何をしてすごしているかなどを話した。 何気ないおしゃべりが、今はとても幸せで……。 この人に一目惚れしてよかったと思った。 思った瞬間にまた怖くなる。 このまま告白なんかしない方がいいんじゃないかって。
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