第2章 君との別れを

54/103
前へ
/845ページ
次へ
今日はとても楽しかった。 こんな風に男の子と出掛けたことなんて……綾翔とくらいしかなかったもんな。 デートってこんな感じなんだ。 ――バスは時々ガタンと音をたてて揺れる。 先輩と隣同士で座っているので、揺れるたびに先輩の腕に私の腕が触れる。 「………………」 窓から見える景色が、だんだん見覚えのある場所へと変わっていく。 もうすぐで私たちの町につくのがわかる。 『次は自然ヶ丘町、自然ヶ丘町お降りの方は――』 私は、停車ボタンを押した。 バスは自然ヶ丘のバス停に止まり、私たちは料金をはらってバスを降りた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加