第2章 君との別れを

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「今日はありがとう。楽しかったよ……またよろしくね」 「あ、はい! こちらこそ」 途中まで帰る方向が一緒なようなので、私たちは並んで歩いた。 「僕は学校の近くに家があるんだよ」 「学校に近いなんて羨ましいです」 いくらでも寝坊ができちゃう! 私なんか学校が遠いせいで、早く起きなければならない。 もちろん、寝坊なんかしてしまったら一発で遅刻になってしまう。 「真緒ちゃん、じゃあ僕はこっちだから」 「あ、はい」 先輩は一度にっこりと笑うと、片手を軽く上げて、私に背中を向けて歩き出した。 ――言わなきゃ。 「あ、あの! 先輩!」
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