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「ん? どうしたの?」
「あ、あの……っ」
先輩は足を止めて、笑顔で振り返った。
私はドキドキと音をたてる心臓をぎゅっと握り、一回息を深く吸って、足に力を入れて真っ直ぐに先輩を見た。
最初は口を開けるだけで何も出てこなかった。
でも言わないと何も変わらないし始まらない……こんなチャンスがめぐってきているのにスルーはできない。
私は覚悟を決めて、心にある言葉を声に出す。
「わ、私……あの。先輩のことが好きで……あ、いや早いってわかってます。まだ先輩のこと何も知らなくて……」
先輩を真っ直ぐに見ていた視線は、いつの間にかそらしてしまっていた。
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