1449人が本棚に入れています
本棚に追加
「ジュースないから買ってきてちょうだい。あんたたちの好きなのでいいから」
お母さんは満面の笑みで言うと、私と綾翔の肩をつかんで無理矢理玄関に押して行って……
「いってらっしゃい」
絶対語尾に“ハート”が付くような猫なで声で言うと、そのまま玄関のドアを閉めてしまった。
しかもカチャッと鍵のかかる音が聞こえたんですけど。
「……ありえませんね」
「……ああ、ありえねー」
私たちはそう呟き、お互いに顔を見合わせて、仕方ないと買い出しに行くことにした。
「つか、ジュースくらい買ってろし。あいつら」
「まったくよね……」
「つかつか、何で蛍いないわけ。あいつがいたら俺はゴロゴロできたのに」
「あとでお兄ちゃんに肩揉んでもらおー」
綾翔と蛍……私のお兄ちゃんも幼馴染みたいなもので、二人ともすごく仲がいいんだよね。
最初のコメントを投稿しよう!