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私は綾翔の隣に座り直すと、綾翔は何故か私から距離をとるように少しだけ離れようとする。
「なんで逃げるのよ」
「……別に」
そのまま綾翔は私から顔をそらすように、顔を90度向こうに向けてしまう。
私はいつものことだと思い、そのまま体育座りの状態で膝にあごを乗せた。
それから少しだけ時間が経ってから、綾翔は正面を向き、口を開いた。
「お前……本当に先輩が好きなのか。だって、会ったばかりだろ?」
「うん? でも、一目惚れも立派な恋だし……これからいっぱい先輩を知ることが出来るよ」
「もし、お前が好きな先輩じゃなかったらどうすんだよ」
「そのときはそのときだし。それに付き合わないとわからない事があるんだから、今は何も言えないよ」
綾翔は「ふーん」とだけ言って、それ以上口を開くことはなかった。
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