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その日は11時前にお開きになり、綾翔たち篠原家族は帰っていった。
お母さんとお兄ちゃんは、後片付けをして、私は部屋に戻ってパジャマに着替えていた。
――あのあと……綾翔は何も喋らなかったな。
そんなに心配させちゃったんだろうか。確かに一目惚れして、話すようになってからまだ何日も経っていない。
それなのに付き合うだなんて……。
「でも、まだ先は長いよね」
パジャマに着替え終わった私は、そのままベッドに潜り込んで目を閉じる。
やけに離れない綾翔の顔……だって、あんな顔をするとは思わなかったんだもん。
あんな……真剣でどこか悲しそうな顔……綾翔はどうしてあんな顔をしていたの?
わからないよ……。
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