第2章 君との別れを

72/103
前へ
/845ページ
次へ
その日は11時前にお開きになり、綾翔たち篠原家族は帰っていった。 お母さんとお兄ちゃんは、後片付けをして、私は部屋に戻ってパジャマに着替えていた。 ――あのあと……綾翔は何も喋らなかったな。 そんなに心配させちゃったんだろうか。確かに一目惚れして、話すようになってからまだ何日も経っていない。 それなのに付き合うだなんて……。 「でも、まだ先は長いよね」 パジャマに着替え終わった私は、そのままベッドに潜り込んで目を閉じる。 やけに離れない綾翔の顔……だって、あんな顔をするとは思わなかったんだもん。 あんな……真剣でどこか悲しそうな顔……綾翔はどうしてあんな顔をしていたの? わからないよ……。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加