第2章 君との別れを

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それからの夏休み。 私は誰かと会ったり何処かへ行ったりすることもなく夏休みを過ごしていた。 そして、8月の中旬。 夏休みが終わった愛恵高校の生徒たちは今日から登校日だ。 「真緒、宿題とか持った? ちゃんと確かめなよ」 「わかってるよー。もう、お兄ちゃん煩いなぁ……」 「煩くていいよ。ほら、早く仕度しないと綾翔来るよ……ほら、真緒」 私はお兄ちゃんに急かされるままに身仕度をし、リビングで綾翔が迎えに来るのを待っていた。 そのうち、ピンポーンとインターホンが鳴るのを聞き、私は鞄を持って玄関の扉を開ける。 「おはよー!」 「朝から元気だな……行くぞ」 「うんっ」 綾翔と二人で並んで、学校を目指す。
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