第2章 君との別れを

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どうしたんだろうと首を傾げていると、斎藤くんが私の肩をポンポンと叩いた。 「河井さん……君は残酷だね。間接キスとか」 「え? でも私たち昔からの間接キスくらいやってるよ?」 今更綾翔はそんなことで照れているのだろうか。 私は気にしないのになぁ。 「綾翔はやくー」 「あーもう! わかったよほら!」 綾翔は私の手からチョコバナナを一口かじって、そしてドリンクを渡してきた。 私はストローからドリンクを飲むと、ちょっとすっぱいパインの味が口に広がる。 「んーんまっ」 「あーそう……」 綾翔はクルッと背を向けて、そのまま歩いて行ってしまう。 斎藤くんと佳奈はクスクスと笑いながら、それに続いて歩いた。
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