第2章 君との別れを

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嫌だ……足が痛いのに。 こんな怖い人に連れていかれちゃうなんて嫌だよ! 「さて、どこから行こうか」 「いっ……嫌っ!」 誰か……誰か助けて! 心の中で叫んだ声が聞こえたのか、ふわっと後ろから誰かに抱き寄せられる。 「――きゃっ!?」 その誰かは、この怖い人たちの仲間かもしれない……でも、そうは思わなかった。 どこかで覚えてるこのシャンプーの香りのおかげで。 でも…… 「だ、だれ……」 「なんだお前。その手を離せよ。今から俺らと遊ぶんだ。なあ?」 「…………」 私はブンブンと首をふる。 すると、これもまたどこかで聞き覚えのあるようなクスクスという笑い声が後ろから聞こえた。
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