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「お前歩けないだろ。仕方ないから背負ってやるよ」
「え、おんぶしてくれるの!? わーい綾翔やっさしー!」
その優しさに甘えるように、綾翔の背中に抱き着くようにして乗る。
軽々と立ち上がり、私なんか背負ってないかのようにスタスタと歩き出した。
お祭りを行き来する人たちに時々チラッと見られながら、わたあめの屋台へと進む。
普段なら嫌がって私を突き放すくせに……こういう時は男の子だなぁって思っちゃう。
いつも助けてくれるもん。
いつも傍にいて支えてくれる大切な幼馴染――。
「――あ」
綾翔は小さく声を漏らすと、その場に立ち止まる。
まだわたあめの屋台までは距離があるのに――。
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