第2章 君との別れを

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お祭りに来た人たちは、屋台の前を歩くか屋台を見るかのどちらかだ。 そんな中、綾翔はピタリと止まって行き交う人達の邪魔になってしまっている。 「綾翔……?」 綾翔が止まって視線を向ける先に、私も同じく視線をあわせてみる。 「え……あ――!」 「……え? あ……ま、真緒……ちゃん?」 「先輩!」 涼先輩が、何人かの友達と一緒に屋台を巡っていた。 先輩の友達は「おい誰だ?」と口々に言っていて、先輩は苦笑いを浮かべている。 そして私の方に向き直り、気まずそうな顔で綾翔のことを見た。 ――そうだ、私……いま綾翔に背負われているんだ!
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