第2章 君との別れを

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「じゃあ、真緒は先輩に送ってもらえよ。……いいですか」 「僕は構わないけど……」 先輩と綾翔は身長差があるため、綾翔が見上げる形で先輩に近づく。 「勘違いしないでくださいね。俺はただの幼馴染ですから」 “ただの幼馴染”何故かその言葉を聞いたとたんに、悲しい……気持ちになる。 「……それでも、もしまだ不安なら……」 何を言うつもりなの。 「もう、一緒にいるのやめますから。……じゃあな真緒」 綾翔の言った別れの言葉。 きっとそれは、今から帰るからっていう別れの言葉じゃない。 ――“これから先”の別れの言葉なんだ……綾翔はもう、私の側にいることはない。
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