第2章 君との別れを

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先輩に送ってもらった私は、すぐに浴衣を脱いでパジャマに着替えた。 鞄から携帯を取り出すと、メール着信ライトが点滅していた。 誰かはわかっている。 内容も大方予測がついている。 私は携帯を開いて見てみると、予測通りの送信者と本文が書かれていた。 『明日から一人で行く』 それだけ書かれた素っ気ないメール。 綾翔は私から離れる事を選んだ。 本当は私が選ばなきゃいけなかったんだ。 明日から登下校もお昼も……隣の席でも目を合わせたり話したりしない。 出来ない。 もう、――元には戻れないんだ。
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