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お祭りの次の朝。
綾翔はメールで言っていた通りに迎えには来てくれなかった。
お母さんに「喧嘩でもしたの?」と聞かれたが、私は「そんなんじゃないよ」と言って笑った。
今は一人で通学路を歩いている。
久しぶりの一人での登校だ……とても違和感のある光景だけど、仕方ないと自分に言い聞かせる。
私は間違っていたの。
もし先輩に女の子の幼馴染がいて、一緒に登下校をしていたら。
きっと私は複雑な気持ちになってしまう……だからきっと先輩も同じなんだ。
もう前みたいには戻れない。
私には先輩がいるのに……なんで綾翔がいないだけで、こんなに寂しくなるんだろう。
いつも一緒にいた兄弟みたいなものだったから――。
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