第1章 最後の思い出

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綾翔の胸の上に頭が乗った状態になって、綾翔の手が私の腰にまわっている。 クラスのみんながざわざわと私たちを見て「またやってるよ」「やばいラブラブだねー」と言いながらクスクスと笑っていた。 「ほら河井さん。変な噂たつって言ってるのに」 「そのままキス出来たらよかったね篠原くん」 斎藤くんたちが私たちを見下ろしながらニヤリと笑って見ている。 「ま、真緒……いいから退けて……」 「あ! ごめん綾翔!」 私が綾翔の上から起き上がる。 体を起こしただけだから、まだ綾翔の上に乗った状態。 「だから……退けって言ってるだろっ!」 綾翔は私を無理やり退けて立ち上がり、倒れた椅子を元に戻した。 「綾翔ごめんってばぁ! 怒らないでよもうしないから!」 「怒ってないよ。それよりケガしなかったか?」 「ん、大丈夫です」 「ならいいよ。早く自分の席に座れ」 私は「うん」と言って頷き、自分の席に座った。
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