第3章 涙の意味とは

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「ごめんね河井さん」 「まあまあ、どんまいですよ」 「20番だったよ」 「あははっ――はっ!?」 斎藤くんがふりふりと揺らす割りばしには確かに20という数字が書いてある。 と……隣? 斎藤くんと私が隣? 「よろしくね、河井さん」 「いっ……いやああああああっ」 叫んだところで結果は変わらないのだけれど、今は叫びたい気分です……。 「真緒ちゃんまた斎藤くんの近くなんだねー」 「真緒! がんばっ」 「のどかちゃん由梨ちゃん代わって!!」 クラスメートの女子たちに「がんば」エールを貰いながら、渋々と黒板の25番にチョークで河井と書き込む。
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