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家が近くなった頃、すこし先の十字路から綾翔が出てきた。
「あ……」
一瞬ビクッとなり足を止めたが、綾翔は気付いていないのか、そのまま歩いて行ってしまう。
なんでだろう……先輩といるところ、綾翔には見られたくないよ……。
「真緒ちゃん?」
「え……あ、すみません」
「どうしたの? 大丈夫?」
「はい……」
綾翔は……私が先輩と付き合うことになって、どう思ったんだろうか。
ちょっとは寂しいとか思ってくれていたの?
……それはないか。
本当にただの幼馴染で……私なんかどうも思われてないんだもん。
――あれ、なんで私こんなこと考えているの?
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