第3章 涙の意味とは

20/93
前へ
/845ページ
次へ
先輩と付き合うことになって幸せじゃないの? なんでこんなに悲しくなるんだろう……先輩のこと、考えなきゃいけないのに。 ……綾翔のことばっかり。 「真緒ちゃん。じゃあまた」 「はい。今日もありがとうございました」 私は先輩に微笑みかけ、家の扉を開いた。 お父さんは自然ヶ丘病院の院長で、お母さんも働いている。 お兄ちゃんは大学だから、今は家に誰もいない。 静かで、私が出す音しか聞こえない。 「誕生日……かぁ」 去年は綾翔、私が欲しがってた抱き枕を買ってくれたっけ。 その前は小物入れ、その前は……たしかその時に流行ったキャラのキーホルダーだ。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加