第3章 涙の意味とは

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いつも「何もやらねー」とか言って、結局はいつもプレゼントくれたっけな。 素直じゃないなぁ……って思いながらも、毎年プレゼントを楽しみにしていたんだよね。 そうだ……綾翔は素直じゃないもんね……もしかして、平気なフリして実はヤキモチ妬いてくれてたりして……。 「あはは、綾翔それはない」 今年は本気でくれないんだろうか……私には先輩がいるから。 なんか……やだな。 やっぱりやだよ。 こんなの我が儘かもしれないよ。 でも、綾翔には祝ってほしいよ。 綾翔……。 ――なぜか、鼻の奥がつーんとなった感じがして、慌てて堪える。 「何泣きそうになってるのよ……ばか……」 静かな部屋で、怖いくらいに時計の音だけが響いていた。
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