1449人が本棚に入れています
本棚に追加
そして、人だかりの中から今度は斎藤くんが出てくる。
表情はいつもと変わらず無表情で、みんなの視線にも気にしないかのようだ。
「ねえっ! あの子は本気なんだから真面目に聞きなさいよっ」
「あんた顔がいいからって……!」
あの女の子の友達かな?
彼女たちは本気で怒った顔で斎藤くんの腕をつかんで睨みあげる。
「うるさいなぁ……興味ないんだ。しつこくしないでくれない?」
斎藤くんは笑顔だけれど、多分本気で嫌なんだな……。
「さっきの泣いてた子、うちのクラスかも……」
「え……先輩の?」
「うん……」
なんか、気まずいな……。
最初のコメントを投稿しよう!