第3章 涙の意味とは

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そして、人だかりの中から今度は斎藤くんが出てくる。 表情はいつもと変わらず無表情で、みんなの視線にも気にしないかのようだ。 「ねえっ! あの子は本気なんだから真面目に聞きなさいよっ」 「あんた顔がいいからって……!」 あの女の子の友達かな? 彼女たちは本気で怒った顔で斎藤くんの腕をつかんで睨みあげる。 「うるさいなぁ……興味ないんだ。しつこくしないでくれない?」 斎藤くんは笑顔だけれど、多分本気で嫌なんだな……。 「さっきの泣いてた子、うちのクラスかも……」 「え……先輩の?」 「うん……」 なんか、気まずいな……。
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