第3章 涙の意味とは

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先輩は心配そうに女の子が走っていった方を見つめる。 斎藤くんたちはというと、斎藤くんは女の子たちの手を振り払ってこちらに歩いてくる。 「人前……か」 先輩はぽつりと呟く。 あの子、大丈夫かな……きっと最低な人たちからは噂されたりするんだろうな……。 それに……斎藤くんのこと好きな女子ってきっと多いだろうし。 斎藤くんが教室に入ろうとしているところを、私は腕をつかんで窓際まで連れていく。 「誰かと思ったら……何?」 斎藤くんはやっぱり笑顔で、先輩はちょっと驚いた表情を見せている。 「さ、さっきの……」 「あれ。気になるんだ」 今度は意地悪そうな笑顔をする。
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