第1章 最後の思い出

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「わからないんだから教えてよ意地悪」 「リサーチは宇宙だよ宇宙」 「違ぇよ雲だよ雲」 二人はニヤニヤ笑いながら教えてくるけど……。 「宇宙はスペースで雲は……でしょ!」 「わかんねぇのかよ!」 綾翔につっこまれた時、斎藤くんが持っていた辞書を私の机の上にぽんっと置いた。 「使いなよ。俺は綾翔の見るから」 「お前、俺より成績いいだろ誰が見せるかコラ」 私は「ありがとう」と言って辞書を開き、単語を調べてやっと書きはじめることができた。 斎藤くんはなぜか頬杖をつきながら後ろを振り返ってニヤニヤしながら私を見ていた。 綾翔は真顔ともニヤリともとれない微妙な顔で私のことを見ている。
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