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「あれ、早いね真緒ちゃん」
先輩は笑顔で私に手を振りながら歩いてくる。
「先輩こそ、まだ待ち合わせ時間には早いですよ?」
「あはは。お互い様だね」
いつものように笑顔を見せてくれ、そして片手を私の方に差し出してくる。
私はその仕草にドキドキしながら、先輩の手をぎゅっと握りしめた。
手袋越しにも感じ取れる先輩の温かさ――。
「さて、行こうか」
しっかりと繋がれた手をぐいっと引っ張り、先輩は私をリードしてくれる。
少し前を歩き、だからと言って早いペースではなく私に歩幅を合わせてくれて……。
歩きにくい雪道をしっかりエスコートしてくれる。
そのことが嬉しくて思わず笑顔になった。
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