第3章 涙の意味とは

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そして、いつものようにバスに乗って、行き先は朝日ヶ丘町だ。 バスから見える景色も、下りた後の景色もあたり一面真っ白。 時々ロードヒーティングのようで、濡れたアスファルトが顔を出している。 「朝日ヶ丘も寒いね」 「そうですね……早く入るお店を見つけちゃわないとですね」 「真緒ちゃんはどんなのが欲しいのかな。それよりも色んなお店に入ってみる?」 「あ、実は一つ欲しいものが……」 決まっていないと先輩を困らせてしまうかもしれないと思い、昨日のうちに欲しいものをあげて絞っておいた。 「実はですね……今年、ニットの帽子を洗濯したら縮んでしまって……それで、お願いしたいなーと」
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