第3章 涙の意味とは

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「ニット帽か……うん、じゃあ真緒ちゃんに似合いそうなのを探そっか」 「はいっ」 あまり高いものも頼めないし、帽子なら実用的で毎年使えるから……。 でも彼氏に帽子を頼む彼女なんかいるかな。 まるでクリスマスのプレゼントをねだったみたいになっちゃったけど、いいよね? 「帽子屋なんかありましたっけ」 「うーん。見たことないよね……服屋とか雑貨屋に置いてあったりするよね」 「確かに……意外と可愛いのがあったりするかもですね」 「じゃあとりあえずお店を見つけて入ろうか。寒いしね」 そう言って笑う先輩の鼻や耳は真っ赤になっている。 きっと私も真っ赤になっているんだろうな……冬は、どうしてこんなに寒いんだろう。
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