第3章 涙の意味とは

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爪先もなんだか感覚がなくなってきている。 ……いや、感覚はなくなっているんだけど、冷たくて痛すぎているために感覚がなくなっている感じだ。 「あ、先輩あそこ……」 「うん、じゃあ入ろうか」 寒くてしゃべると声が震える。 私たちは小走りでお店の中に入ると、暖房で暖かく、痛い感覚が少しずつ消えていく。 「あ、あそこに帽子があるね」 「本当だ!」 「あと、帰りにどこかで温かいもの飲んで帰ろっか」 「はいっ! 温まりたいです」 帽子コーナーに行くと、色んな柄や形のニット帽がずらりと並んでいる。 やっぱり買うなら耳が隠れるやつがいいかな……あと、できるだけもこもこの。
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