第1章 最後の思い出

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私が二人を睨んでいると、視線に気付いたのか二人同時にこっちを見て笑った。 「やっと終わったんだね」 「辞書使ってるくせに。本当お前はバカなんだな流石だわ」 「こら綾翔。バカだなんて本当のこと言ったら可哀想だろ」 「あっははは! お前のが酷いこと言ってんじゃん!」 こいつら……。 二人はケラケラと笑いながら私の悪口を言い合う。 流石にイラッとした私は、綾翔が髪につけているヘアピンを無理矢理取った。 「いてっ! ちょ……っ、ま……まじお前……髪ブチッて……いった……」 「女の子みたいなもんつけてるからでしょうが」 綾翔は髪の毛をおさえながら、涙目になっていた。 私は奪い取った綾翔のピンを自分の髪の毛につけて綾翔の頭を「よしよし」と言って撫でた。
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