第3章 涙の意味とは

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「まあ、小さい頃からずっと一緒にいたら、気付かないこともあるよね」 「そうなんですが……って、え?」 「ふふ。まあ真緒。ゆっくり考えてみればいいよ。じゃあココアはいただくね」 そう言ってお兄ちゃんは、ココアを持ってリビングを出ていってしまった。 そんなことより――小さい頃からずっと一緒にいたら? も、もしかして誰の話をしていたのかがバレちゃってる!? うーお兄ちゃんのくせに……! 「ずっと一緒にいたら気付かない……か」 私の中で、彼がどんなに大きな存在なのか……ずっと一緒にいたから気付かなかったもんね。 当たり前すぎて……いざ離れてみたとき、私の生活の中には必ず……。 綾翔がいたんだ――
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