第3章 涙の意味とは

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二人に、どんな顔をして会えばいいんだろう……。 「気まずい……なぁ」 私が綾翔への気持ちを全て捨てて、いつもの、今までの幼馴染に戻れば。 私は変わらず先輩の彼女になる。 「綾翔とは幼馴染……幼馴染……私は……先輩の彼女……先輩が大好きだもん……」 自分に暗示をかけるかのようにそう呟きながら、飲み終えたマグカップを流し台に入れて、リビングを出た。 それから晩ごはんのときもお風呂も寝るときも……考えないようにしようと考えていた。 考えないようにしよう……なんて考えているのが、考えてしまっている証拠だもの。 きっと明日……先輩に会うときには全て大丈夫になっているから。
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