第1章 最後の思い出

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綾翔は私の手をかわして、私がつけたピンを奪い返そうと手を伸ばしてくる。 私はノートで頭をガードした。 「くそっ、てめぇ返せ!」 「なんのことだか、真緒、わかりません! なんのことでしょう斎藤隊長!」 「さあ、真緒隊員、隊長もわかりませんねぇ」 「てめぇら……」 綾翔はひきつりながら笑っている。 そして椅子ごと綾翔は私の方に近づいてきた。 私はガードを強めていると、手を上げていたのですきだらけになった脇腹を……。 「ひゃっ……ちょっ! まっ待って綾翔っ! あははっ」 「いいねぇ真緒隊員。いい声啼いていらっしゃる」 「啼くとか言うなっ……あははっ! あーもうダメええっ」 綾翔は私を楽しそうにくすぐり、斎藤くんは「いいもの見れるねぇ」と言いながら私を見ていた。
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