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綾翔は私の手をかわして、私がつけたピンを奪い返そうと手を伸ばしてくる。
私はノートで頭をガードした。
「くそっ、てめぇ返せ!」
「なんのことだか、真緒、わかりません! なんのことでしょう斎藤隊長!」
「さあ、真緒隊員、隊長もわかりませんねぇ」
「てめぇら……」
綾翔はひきつりながら笑っている。
そして椅子ごと綾翔は私の方に近づいてきた。
私はガードを強めていると、手を上げていたのですきだらけになった脇腹を……。
「ひゃっ……ちょっ! まっ待って綾翔っ! あははっ」
「いいねぇ真緒隊員。いい声啼いていらっしゃる」
「啼くとか言うなっ……あははっ! あーもうダメええっ」
綾翔は私を楽しそうにくすぐり、斎藤くんは「いいもの見れるねぇ」と言いながら私を見ていた。
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