第3章 涙の意味とは

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このまま……こんな感じで先輩と付き合うのは、とても失礼だと思う。 だから、ちゃんと笑顔で元気いっぱいでいかないと! 「先輩! 本当にクリスマスが近づいてきましたねっ」 「ああ、うん。本当もうすぐだ」 「毎年お父さんがクリスマスケーキを買ってきてくれるんですけど、やっぱりケーキは美味しいですっ」 「真緒ちゃんは何ケーキが好き?」 「そうですね……無難にショートケーキも好きですけど……クリスマスといえばブッシュ・ド・ノエルですっ」 「あー、そういえばクリスマスといえばそれもあるね」 先輩のいつもと変わらない私へ向けるその温かい笑顔。 私の笑顔は……きっと、あなたには……向いてないの。 向いてないのよ……。
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