第3章 涙の意味とは

66/93
前へ
/845ページ
次へ
私はいつもよりおしゃべりだ。 先輩に悟られないようにするあまり不自然すぎる私で今日の登校時間は終わった。 「じゃあ、また後で」 「はい」 先輩は二年生なので、私とわかれて二階へと上がっていく。 私はそのまま一階なので階段は上がらずに廊下を進み、自分のクラスの引き戸をガラガラっと開ける。 「あ、おはよう真緒」 「佳奈おはよう!」 「あれ……真緒、目の下にクマがある。寝不足?」 「え、あ……うん夜更かししちゃって」 佳奈は少しだけ心配そうな顔をして、私の頭をなでなでと撫でた。
/845ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1449人が本棚に入れています
本棚に追加