第3章 涙の意味とは

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佳奈に会った事で忘れていたけど……綾翔は……。 「あれ。いない……」 「誰が?」 「綾翔……まだ来てない?」 「篠原くん? まだ。……斎藤くんはさっき廊下に行ったよ」 「そ、そっか……」 なんとなくだけどホッとする。 それでも……時間が経てば会わなきゃいけないんだけれど。 気づかなきゃよかったのに……先輩と付き合った事で壊れた綾翔との関係が、また崩れていきそう。 そう考えていたか、教室のドアがガラッと音をたてて開いた。 ドアの前にいた私は邪魔になるかもしれないと思い、退けようとドアの方を見ると……。 「あ、綾翔」 「ん? ああ……おはよ」 眠たそうな顔をした綾翔が立っていた。
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