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「お、おはよう」
なんとなく気まずさを覚え、私は綾翔の目を見ることが出来ない。
「……? どうした。顔色悪いけど」
「ね、寝不足!」
「ふーん」
綾翔は私をスッとすり抜けて自分の席の方へと行ってしまった。
いつもなら心配しないくせに……どうして、こういう時に限って心配なんかするかな。
「真緒、どうしたの?」
「あ、なんでもないよ! にしても斎藤くんはどこに行ったんだろうね?」
私が「あはは……」と笑っていると、開きっぱなしの教室のドアのとこに、小さな可愛い感じの女の子が立っていた。
そして少し遅れて斎藤くんが教室に戻ってきた。
女の子を何だろうという目で見ながら。
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