1449人が本棚に入れています
本棚に追加
/845ページ
教室に入ろうとした斎藤くんを、女の子は袖を引っ張って何か言いたげな目で見る。
「……なに?」
「あ、あの……その……あの人……あ、あの……人」
女の子はたじたじしていて、何を言いたいのかがわからない。
誰か探してるっぽいけど。
「あの人って、なに」
「あ……の……窓際……の」
女の子の視線の先にある窓際を見ると、そこにいるのは綾翔だった。
「……綾翔?」
「は、い。……篠原……くん、呼んでいただけ……ませんか」
「いいけど……」
斎藤くんはそう言って、綾翔の側に寄り、女の子が呼んでいる事を伝えた。
綾翔は少しだけ面倒くさそうだけど、こちらに向かって歩いてくる。
最初のコメントを投稿しよう!