第3章 涙の意味とは

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保健室には行かないで、玄関の方へと走っていく。 その時、グイッと誰かに引っ張られて、私は止まった。 「河井さん……?」 「…………」 斎藤くん……だ。 見てはいないけど斎藤くんの声だから絶対に斎藤くん。 見れない……だって泣きそうだから。 「河井さん。どこに行くの? 保健室はこっちじゃないよね」 「ま、間違えちゃって……」 「……嘘、でしょ。声震えてるよ。……ねえ、河井さんさぁ……もしかして」 私はそれ以上言われるのが怖くなって、斎藤くんの手を振り払って耳を塞いだ。 「……河井さん」 「やだ……言わないで……言わないで……!」 「…………」
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