第3章 涙の意味とは

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「え、な、なに?」 「…………河井さん、さあ」 「ん?」 今度は斎藤くんが気まずそうに私から視線をそらして、何か言いたそうにしている。 しかし、何も言わずに私の腕を離した。 「いや、いいよ。顔を洗っといで」 「う、うん?」 斎藤くんに手を振って、私は顔を洗いに向かった。 「……両想いなのに、なんだか切ないねぇ」 それから――赤くなっていた目をどうにか元に戻してから教室に戻ると、斎藤くんと綾翔は楽しそうに話をしていた。 「あ、おかえり河井さん」 「おー」 「たっ……ただいま」 こっちに顔を向けた綾翔に一瞬顔が熱くなるのを感じる。
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