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ちょっとだけ泣きそうになった目を、ぎゅっと瞑ってみる。
そして誰にも気づかれないようにすぐに目を開けて、涙をこらえた。
それでも――まだどこかで綾翔がプレゼントをくれるんじゃないかって思ってたんだ。
その日一日、綾翔とあまり会話をすることもなく、放課後になってしまった。
放課後、先輩を待つために廊下に出て窓の向こうの一面白銀の世界をボーっと見ている。
「はあ……」
ため息がとまらない。
何度も何度もボーっとしながらため息を繰り返す。
「河井さん」
「あ、斎藤くん」
「先輩待ってるの?」
「うん……」
斎藤くんには、私の気持ちがバレてしまったんだよね……。
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