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綾翔も先輩も、家まで送ってくれていたからなぁ……。
……綾翔……か。
そういえば、今日はあまり話さなかったし、プレゼントも貰えなかったんだ。
私は髪についた斎藤くんから貰ったリボンを見てみる。
「斎藤くんも先輩も、ちゃんとプレゼントくれたのになぁ」
でも仕方ないよね……綾翔と一緒にいられなくなったのって、私のせいなんだから……。
今になって本当の気持ちに気付くなんてバカみたい。
「本当……バカ、みたい」
一人になったからか、なんだかすごく寂しくなってきた。
さっきは堪える事が出来た涙が、今度は溢れて流れてくる。
「やだ……」
私は溢れて流れる涙をコートの袖の裾で拭いながら静かな真っ白の道を一人で歩いた。
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