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家が見えてきて、私は早く家に入ろうと滑る道を駆け足で進む。
ポロポロと涙を流しながら、家の門をくぐると――
「……え」
「…………」
「あ、綾翔!」
いつからそこにいたのか、家の前で綾翔が頬や鼻を真っ赤にしながら立っていた。
「あ……今、家に誰もいないから待ってたの!? ご、ごめん中に入ろう!」
そう言ってドアを開けようと鍵を取りだし、差し込み口に鍵を入れようとしたら、綾翔がその手をギュッと掴んだ。
「……え? な、何どうしたのっ……?」
「お前、なんで泣いてんの」
「え……あっ……いや、これはその……」
そうだ、やだ目も腫れて頬を涙がつたった痕がついてるかもしれない……。
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